教員養成校における授業改善に資する、教員・生徒の行動・発話を可視化・分析するイノベーション
(想定するソリューション例)
センサーやカメラ等を用いた教員・生徒の行動・発話等の可視化・分析による授業改善提案の自動化
BACKGROUND
モザンビークにおいて、2016年4月から2020年4月にJICA技術協力プロジェクトとして「初等教員養成校(IFP)における新カリキュラム普及プロジェクト」が実施されました(現在、今後の協力可能性について検討が行われています)。モザンビークでは、初等教育における児童の学力到達水準が十分とは言えず、教員の資質向上が課題であることが指摘されています。上記プロジェクトでは、対象地域において、日本が比較優位にある算数・理科教育において、初等教員養成校(IFP)の学生向けの算数・理科教材の開発と試行により、教材の教員養成課程への導入を図り、IFP学生の算数・理科指導力の向上に取り組みました。併せて、S-T分析ツールを用いた授業分析を実施し、授業を視覚的に見せることで、授業を実施した教員が学習者中心型の授業を意識するようになり、それまでの講義型から学生を巻き込む授業へ徐々に変化しました。
授業改善においては、教員の行動や発問、生徒の回答や発言等を客観的に把握したうえで、問題点を認識し、授業実施方法の改善に繋げていく必要があります。上記プロジェクトでは3州のIFPにおいてS-T分析ツールを用いた授業分析を実施し、学習者中心の授業への教員の意識改善や行動変容に貢献しました。今後プロジェクトを拡大実施するにあたり、教員・学生の行動や発話を可視化・分析し、教員に対してフィードバックを行うことができる(またはサポートする)ソリューションがあれば、授業改善のノウハウやテクニックを効率的・効果的に身に着けることが可能になると考えられます。
本チャレンジでは、センサーやカメラ等を用いてIFPの模擬授業を記録し、教員・生徒の行動・発話等を可視化・分析し、授業改善に資するソリューションを募集します。
WHY PARTICIPATE?
- JICAが実証機会を提供(主に実証の際のユーザーとなる学校を想定)
- JICAが実証支援予算を提供(300~500万円程度を限度に)
- 事前に設定するKPIが達成され、実証が成功した暁にはJICAプロジェクトにおける導入の可能性
- JICAによる政府機関や公的機関等のネットワークの提供
POINTS TO CONSIDER
- モザンビークでは首都を中心にLTEネットワークを利用可能ですが、通信環境が弱い地域も多く存在します。弱い通信環境でも適用可能なソリューションの提案を歓迎します。なお、学校内ではWifi環境は特にないものとご理解ください。一方で、IFP教員のスマートフォン保有率は高いという調査結果があります(80~90%)。
PoC
- 実証期間:2021年2月~6月のうち3ヶ月程度を予定しています。
- コロナの影響により現地渡航が難しい場合は、遠隔で実証することを想定しています。
- 実証現場は「初等教員養成校(IFP)における新カリキュラム普及プロジェクト」の支援対象であるマプト州マトラIFPを予定しています。
- ソリューションの適用対象数は現時点では未定です。採択後にご相談お願いします。なお、上記プロジェクトの支援対象は、マプト州マトラIFPにおいて、教官6名(算数教育:3名、理科教育:3名)、学生400名(2017年度新入生170名、2018年度同110名、2019年度同120名)でした。
- どのポイントを可視化・分析するか(教員の主要発問、生徒の回答、板書等)、どのようなデバイスを使用するかにつきましてはご提案ください。
- 現地とのコミュニケーションには基本的にポルトガル語が必要となります(英語はほぼ通じません)。
※実証実験の間、通訳が必要な場合は、通訳費用をPoC予算に含めることが可能です。 - ソリューションの操作言語についてはポルトガル語が望ましいです。
「初等教員養成校(IFP)における新カリキュラム普及プロジェクト」について
- Project:Technical cooperation project
- 事業:技術協力
- 課題:教育
- 期間:2016年4月〜2020年4月(完了済、現在、今後の協力可能性について検討が行われています)
- 事業完了報告書: https://libopac.jica.go.jp/images/report/P1000043318.html
- 概要:
モザンビークでは、初等教育における児童の学力到達水準が十分とは言えず、同国教育人間開発省(MINEDH)からは、教員の資質向上が課題であることが指摘されています。しかし、2007年に開始した教員養成制度は、教員養成期間が1年の詰込み型であったため、教員としての高い専門知識と授業実践力を養うには不十分です。この協力では、対象地域において、日本が比較優位にある算数・理科教育において、初等教員養成校(IFP)の学生向けの算数・理科教材の開発と試行により、教材の教員養成課程への導入を図ります。これにより、IFP学生の算数・理科指導力の向上に寄与します。
取り組み事例紹介:授業効果測定「S-T分析ツール」
- 本プロジェクトでは日本で使用されていたS-T分析ツールを参考に、カウンターパート機関であるMINEDHとどのような活動を記録したいかを協議し、Excelマクロプログラムを開発しました。
- 上記図は縦軸は学生(模擬授業では児童役の学生)の活動、横軸は教官(同教員役の学生)の活動であり、左は教官中心の活動が多く行われた授業を、右は学生中心の活動が多く行われた授業を表しています。
- 同ツールによる分析結果だけでは授業を評価できませんが、教科や教授法の知識がない担当者でも、授業が教官からの一方的な講義であるか、もしくは学生の活動が組み入れられているかを簡単に示すことができます。
- 同ツールを研修で繰り返し指導したことで、モニタリングや調査でも官公庁の職員、IFPの校長等が同ツールの分析結果を用いて、実際の授業について議論・検討できるようになりました。また、実施された授業を視覚的に見せることで、授業を実施した教官が学習者中心型の授業を意識するようになり、それまでの講義型から学生を巻き込む授業へ徐々に変化しました。
出所:https://www.jica.go.jp/oda/project/1500200/index.html
SCHEDULE
2020年11月4日(水)~
12月7日(月)
エントリーフォームからご応募
2020年12月上旬~2021年1月下旬
1次審査結果通知は12月18日(金)を予定
JICAとの協議※1 :2021年1月中旬
最終審査※2:2021年1月下旬
2021年2月~6月
のうち約3ヶ月間程度
2021年6~7月(予定)
※1 ZOOM等によるオンラインMTG(1時間弱)をセットする予定です
※2 JICAとの協議を経て実証計画をブラッシュアップ頂き、企業概要、ソリューション詳細、実証計画などについてオンラインでプレゼンテーション頂く予定です
ENTRY
応募資格:本テーマについては英語でコミュニケーションが可能であれば海外企業の応募も可。ただし、その場合、応募書類は英語のみに限定します。
「応募する」よりエントリーフォームに進み、必要事項を入力してください
提案の評価基準は下記を予定しています。なお、評価結果は一切開示しませんので、ご了承ください。
- 課題の解決性
- 実現性
- 競合優位性
- 実証計画の妥当性
- 実績
CONTACT
お問い合わせは下記メールアドレス宛にお願いいたします。事務局より返信させていただきます。
Africa Open Innovation Challenge powered by JICA運営事務局
E-mail: jpopeninnovation-jica@tohmatsu.co.jp
契約の形態
本実証実験は業務委託契約に基づき実施頂き、提案者には業務委託契約の成果品として契約書に規定する報告書を提出して頂きます。
本実証実験の実施管理は、Africa Open Innovation Challenge powered by JICA 運営事務局が担っております(以下「事務局」といいます。)。事務局は、有限責任監査法人トーマツ、デロイトトーマツベンチャーサポート株式会社による共同企業体が、JICAからの委託を受けて運営しております。このため、提案者は、実証実験実施に係る業務委託契約を対JICAではなく、対事務局(有限責任監査法人トーマツ)と締結することになります。
- 選考に係る評価内容及び結果は一切開示しませんので、ご了承ください。
- 本実証実験で提案者が調達する資機材の所有権はJICAに帰属するものとし、JICAは原則として実証実験終了後事業実施国政府関係機関等に資機材を譲与します。
- 提案者が製作するプロトタイプその他実証実験に関連する創作物の知的財産権は、本件業務委託契約終了後も提案者に帰属することとしますが、提案者はJICA又は事業実施国政府機関等に業務委託契約終了後も含む利用許諾を与えることを原則とします(別途提案者とJICAで書面により確認します。)。
- 業務委託契約の成果品である提案者が作成した報告書の知的財産権は、JICAに譲渡いただくものとします。
- JICAは提出された報告書を原則として外部公開します。報告書に提案者等の商業上の秘密に該当する内容が含まれる場合、内容の一部を非公開とします。その際、非公開とする内容と範囲については、提案者、JICA、事務局の3者が協議をした上で決定することとします。
- 本実証実験の概要は、JICAの広報活動の一環として、JICAにより公表されます。
- 現地情勢の変化やCOVID-19感染拡大の状況によってPoCが実施できなくなる可能性がありますことご了承ください。