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Mozambique

指向性マイクを用いた授業改善


選定企業:ハイラブル株式会社

事業サマリー 指向性マイクを用いて、模擬授業で行われる話し合いを自動で見える化する実証実験を実施します。見える化されたデータを教員と学生にフィードバックすることで、学習者中心の授業への転換を促進し、将来、初等教員となる学生による授業の質の向上を目指します。

取組課題 授業改善においては、教員の行動や生徒の発言を客観的に把握し、問題点を認識した上で、改善に繋げていく必要があります。教員・学生の行動や発話を可視化・分析し、教員にフィードバックができるソリューションがあれば、授業改善のテクニックを効果的に学ぶことが可能になります。

ソリューション たまご型のマイクを使って対面の話し合いを見える化する「Hylable Discussion」を初等教員養成校に提供し、模擬授業で行われる話し合いを自動で見える化する実証実験を実施します。Hylable Discussionは、高雑音環境での話し合いを安定した性能で自動分析し、得られたデータを教員と学生にフィードバックすることが可能です。
 
 
 
 

進捗状況

 
開始時
対面の話し合い見える化サービス「Hylable Discussion」で使用するたまご型のマイクについて、5月にモザンビークに到着し、各種セットアップを行い、実際の授業に出向く現地アシスタントにもトレーニングを行いました。
たまご型レコーダーの主要機能は、個別の話し合いと、グループ・個人の蓄積データの可視化です。個別の話し合いについては、発話量の時間変化、ターンテイク、個人の行動分析(発話量、重なり量、盛り上げ量)が、グループ・個人の蓄積としては、グループ全体の変化、各学生の行動の分布、個人の行動変容などが分析できます。
サービスの利用にはWi-Fi接続が必要となりますが、Wi-Fi 接続がないときはマイクの物理ボタン操作で録⾳可能で、事後にネットワークに接続すれば⾃動でアップロードと分析ができます。
本件についてはモザンビーク教育人間開発省及び教員養成校(IFP)にもご協力をいただき、7月15日に第1回目の実証を教員養成校の数学クラスで行いました。教員と15名の学生にも積極的にご協力いただき、実証は非常にスムーズに行うことができました。第2回目、3回目の実証も同じクラスで行う予定であり、この実証により授業やディスカッションにどのような変化が生じるか確認してまいります。


第1回実証の様子


第2回目、3回目の実証も同じクラスで行う予定であり、これらを通じ授業やディスカッションにどのような変化が生じるか確認する予定です。






結果報告
教員養成校では合わせて3回の授業でのべ74人の学生に実証を行い、その結果、Hylable Discussionの活用により教員・学生の両方の行動や意識がポジティブに変容したことが、アンケートやデータにより確認されました。



教員側には、学生の発話量を増やすという「学習者中心授業」への意欲が見られ、また、学生側には、分析結果を振り返った後に意識や⾏動が変化し、特に話す量が少なかった学生の話す量が増加することが確認できました。




対話可視化サービスであるHylable Discussionの導入により、授業や議論に学生がより均等に参加し、活発化されたことは、授業の質の改善と、学生の学習能力向上につながる可能性が見込めます。
今回のPoCを通じ、少ない回数の収録でも教員・学生の意識変容は十分に確認できましたが、より長期かつ継続的に利用することで、さらに明らかな行動変容の確認が期待できます。ハイラブル社では今後、途上国の教育機関での導入や、援助機関の行う教育関連プロジェクトにおいて、教育コンテンツと組み合わせた教育効果の向上や、プロジェクトの定量的評価のための行動計測ツールとしての活用を目指しています。

 
 
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